大学入学共通テストで出題される国語と数学の記述式問題について、採点を委託された「ベネッセ」の子会社「学力評価研究機構」の数人が、問題と正答例をテスト実施前に閲覧することが分かった。テストを実施する大学入試センターは「採点マニュアルを事前に作るため」としている。
色々と問題のありそうな、大学入試改革です。
国語と数学の記述式問題に関して、採点を委託された業者では、採点マニュアルを作成するために、事前に問題と正答例を閲覧するとのことです。
そりゃあそうでしょうね。
しかし、これには問題がありそうですね。
模試を作っている業者が、本番の入試問題と解答例を知っているとどうなる?
そもそも模擬試験とは、いかに本番の入試の傾向に合わせた内容であり、正確に合否判定や学力が図れるものであるのか、ということが受験生にとっては、重要ですよね。
大阪府の公立高校入試で考えた場合に、一番、受験生にとって、信ぴょう性の高い模擬試験というのは、五ツ木模試です。他の業者の模試もたくさんありますが、何よりも五ツ木模試への信頼は絶大です。
受験者も多く、運営実績も長く、試験内容や難易度への信頼感も高いものです。
そうすると、本番の入試の内容を事前に知っており、かつ、模擬試験を作成している業者と、そうではない、業者の模試、いずれを受験しますかね?
人はブランドや信頼性などという後ろ盾で判断するもの
もちろん、ものごとの本質や品質を適切に見極められる人は、自分の目を信じて、それによって、良し悪しを判断するでしょう。
しかし、人は、純粋にはものごとを判断できないものなのです。
確証バイアスによって判断することについては以下です。

虹が七色に見える理由については以下です。

そうなってくると、大学入試の模擬試験市場が、独壇場になってくる危険性を感じてしまわざるを得ませんよね。
これって、利権が絡んでくる、きな臭いやつと思ってしまったらダメなのでしょうか?
問題の漏洩の可能性は?
テスト問題の漏洩も気になりますよね。
テスト問題の漏えいが起きる心配については「契約で守秘義務がある」とする。数人以外の同社関係者や採点者らには試験後まで問題や正答例は示さない。
そりゃあ、そういう風に言うでしょうけど、立場を利用して、色々とゴニョゴニョしちゃう時代なので、なかなか、純粋な気持ちで信頼するのは難しいですよね。
警察が警察のふりをして詐欺をします。警備会社が警報を聞いて、合いかぎを利用して強盗します。いじめを防止する教師がいじめをします。

もちろん、それらは、運用する人の問題であり、決して、「ベネッセ」や子会社「学力評価研究機構」が悪いというわけではありません。
しかし、これまで問題なく行われていた、センター試験をわざわざ、改訂してまで、改革を行う際に、このようなリスクや懸念点が考えられると、受験生にはメリットが感じられないのではないかと不安になってしまいますね。
入試って、きちんと努力をして成績を上げて、その結果で合否判定がなされる、正当な勝負であるべきですよね。学校、予備校、塾では、そのための指導を行っているはずです。