大津市の小中学校「単元担当制」導入を考察【現実的か?】

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https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191108-00000579-san-soci

大津市において、小中学校にて、学習単元ごとに異なる教員が授業する「単元担当制」を導入されるとのことです。

教員が得意分野を教えることで、授業の質の向上を図るというのが目的だそうです。

新しい制度を検討し、それによって、教育の質を向上させるのは非常に良いことです。
しかし、内容に無理があり、机上の空論、絵に描いた餅、mochi on the pictureになってしまわないかが心配ですね。大学入試改革の件もありますし。

もう決定しているようですが、果たして、現実的にこの制度の導入は可能なのでしょうか?
また、実際に導入にはメリットがあるのでしょうか?

 

教員の確保はどうするのか?

各教科を単元ごとに担当者を分けるとなると、単元の数だけの教員の確保が必要になりますよね。パターンとしては3つ想定できますが、それぞれを検討してみたいと思います。

一つの学校に相当数の教員を確保する

これをすると、教科数×単元数の教員を各小中学校に配置することとなります。そうすると、かなりの人件費が必要となります。

また、自分の担当教科の該当単元を指導していない際の空き時間が相当発生するのではないでしょうか。

各教師の負担の軽減にはなりますが、空いた時間の有効活用が検討課題となります。

複数の学校を兼務する

現実的には、この方法かと思います。

しかし、この方法だと、各学校によって、教科での学習順序をバラバラしないと成立しなくなります。

そうすると、前の学習単元の履修を前提としている学習単元についての指導が検討課題となります。

アルバイトや塾講師などを派遣する

人件費を安く済ませることができる方法ではないかと思います。

ただし、そもそも、授業の質の向上を目的としているのであれば、主旨がずれてしまっている気がします。

アルバイトだと、あまり専門家という感じではありませんよね。

また、何か問題が起きた場合の責任の所在の不明確さを招きかねないのではないでしょう。

 

 

教員の得意分野を図るのは、誰がどのようにするのか?

各教員が、自身の得意単元を指導するということですが、その基準はどのように設けるのでしょうか。

自己申告なら、好き嫌いの問題になりそうですし、何か筆記試験のようなものを実施するとなっても、それは、「理解が良い」ということであり、「教えるのが得意」という基準にはならないのではないかと思います。

また、そもそも、担当教科であれば、みなさん、それなりにできているはずなので、結果はあまり変わらないのではないかと思います。

また、得意単元を担当する専門家のようになると、指導上問題が発生した際なども、それこそ先輩から後輩に対しても、指導がしにくくなるのではないでしょうか。

 

 

懸念点は?

上述した以外にも気になる点があります。

学校ごとに大幅に進度が異なる入試に影響するのでは?

複数の学校を兼務するカタチになる可能性が高いと思われますが、その場合、各学校で、履修順序が異なってきます。

そうすると、模試などを受けた際に、学習していない単元が発生してしまい、正確な偏差値や志望校判定を行うことができなくなるのではないでしょうか。

以前は、中1・中2の社会の地理歴史の学習において、中1は地理、中2は歴史という順序で学習する学校と、中1・中2の間に地理・歴史を並行して学習する地域がありましたが、現在は、後者に統一されています。

これと同様のことが起こりますよね。

学校での問題が発生した際に解決しにくくなるのでは?

複数の学校を兼務するか、アルバイトなどを導入するかになると、複数の人間が学校間を入れ替わり立ち代わりで、行き来することになる可能性が高くなると思われます。

そうすると、近年では、学校でのさまざまな問題が起こっていますが、それらがより、発生しやすくなり、解決しにくくなるのではないでしょうか。

  • 教師間のパワハラ・いじめ
  • 教師から生徒へのハラスメント行為
  • 学校での窃盗や盗撮など

といった問題です。

 

 

最後に

新しい取り組みで、教育の質を向上させることは賛成です。

しかし、そのことへの準備やリスク回避が甘く、結局、撤回になってしまったり、導入したもののうまくいかないといったことには、なってほしくありません。

このように検証したことが、取り越し苦労であれば良いと思っています。

 

 

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