失敗しない塾選びのポイント 集団と個別のメリット・デメリット

コラム
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子どもの成績を上げるために、必要なことは何でしょうか。

成績を上げるとなると、「勉強を教えること」や「勉強させること」が思い浮かぶかもしれません。

そのためには、保護者のみなさんは、自分の子どもを学習塾に通わせようとしますよね。

それでは、学習塾はどのように選べばよいのでしょうか。

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学習塾の指導形式にはどのようなものがあるか

では、保護者のみなさんは、自分の子どもを学習塾に通わせようとした場合に、どのようにして、学習塾を選ぶのでしょうか。

まずは、どのような指導形式が、自分の子どもに合っているのかを考える必要があります。
そして、実際にどの学習塾にするのかを決定するためには、何らかの決定要因が必要になります。よくある理由としては、「家から近いから」「友達が通っているから」「有名だから」などが挙げられます。

全国に学習塾は、5万教室ほどあるそうですが、それらの学習塾を指導形式によって分類すると、「集団塾」と「個別指導塾」に分かれます。

近年、昔ながらの集団塾ではなく、個別指導塾が増加しています。学習塾における個別指導の割合は、半分近くを占めているそうです。

個別指導塾が増加している理由は、経営者側のメリットが大きいことが考えられます。

集団塾と比較すると、講師の確保が容易です。
なぜなら、個別指導塾は、一斉に数十人の生徒を指導する集団塾と比較すると、授業のスキルは特に求められません。集団塾においては、指導教科の理解力・知識力だけでなく、プレゼン能力や人間的な魅力までもが要求されます。
ですので、実際に授業が行えるようになるまでには、ある程度の研修期間を要します。
また、集団塾では、アルバイトであっても、採用面接時に、模擬授業などの試験が実施される場合もあります。
そのような背景もあり、集団塾では、アルバイトではなく、専任講師が授業を行うケースも多く見られます。

しかし、個別指導塾においては、運営会社にもよりますが、研修をあまり必要としないケースが大半です。
そうすると、経営者側にとっては、研修期間が少ない分、それに対する費用や労力が少なくて済みます。
また、授業を行う学生側も、手軽で割の良いアルバイトという意識になるのではないでしょうか。
つまり、経営者側と講師であるアルバイト側の利害が一致するので、講師の確保が容易になります。

このようにして集められるので、講師のレベルは、個別指導塾のほうが集団塾より低いということになってしまいます。

これは、必ずしも、個別指導塾の講師の質が低いということを意味しているのではありません。
研修などが十分に行われていない可能性が高いため、アルバイト講師一人ひとりのスキルに依存している状態になってしまうということです。

簡単に言うと、当たりはずれがあるということです。

ですので、個別指導塾に通わせる場合は、子どもにあった良い講師を見つけるしかないということになってしまいかねません。

 

教え込むことは、学力の向上にはつながらない

家庭教師や1対1や1対2の個別指導が必ずしも悪いというつもりはありませんが、問題の解き方を一つひとつ懇切丁寧に解説することは、学力の向上には結び付きません。
教えすぎてしまうということは、解答へ誘導しているだけということになりかねません。

例えば、次のような問題があります。

【問題】A君の4回のテストは、70点、84点、75点、69点でした。この4回のテストの平均点は何点ですか。

このような問題を指導する際に、家庭教師や個別指導塾では、次のようなやりとりがよく見られます。

この問題がわかりません。

平均ってどうやって求めるんやった?

忘れました。

合計点÷回数で求められるよ。まず、合計点は、全部の点数を足せば求められるよね。じゃあ、どうする?

70+84+75+69

そう!じゃあ、計算してみて!

298

じゃあ、それを回数で割ってみようか。

回数って4回?

そう、298÷4をしてみて

74.5!

 

このやりとりの、どこが問題点でしょうか。
「解答へ導いてしまっていること」「生徒が自ら問題を解くことができたわけではないこと」が問題です。
これでは、この問題に対する解説にしかなりえません。
答えに近いものを提供しているだけで、応用力をはぐくむ指導にはなりません。
このような指導を受けた生徒の大半は、時間が経ってから、もう一度平均を求める問題に出会うと、おそらく解答することはできません。

必要なのは、「根本的なルールを教え、その理解とルールの暗記を徹底させること」、そして、「それを用いて、解くことができなくても、あえて、手を差し伸べず、自ら答えを導き出せるようにすること」です。
これが、本当の力を身に付けるための指導です。

なぜ、このような授業になってしまうのでしょうか。それは、このやりとりによって、生徒、講師の両者が、満足感を得られるからなのです。
生徒は、「わからない問題を質問し、先生に丁寧に教えてもらうことができた!」という達成感が得られます。
講師も同様に、「生徒のわからない問題を、丁寧に指導することができた!」という達成感を得てしまうのです。

そして、このようなところに、生徒、講師の両者が、塾の存在意義を見出してしまうことが問題なのです。

大学生で、塾のアルバイトをしようと思う理由は、様々かもしれませんが、大きく分けると、「教えるのが好き」や「子どもが好き」に大別できるのではないでしょうか。

教えるのが好きであれば、その仕事に熱意を持ち、懇切丁寧に、一つひとつを説明してしまいかねません。
また、自分自身の丁寧に、うまく教えられるというスキルを存分に表現したいと思うかもしれません。
また、子どもが好きなのであれば、適切な距離感をつかむのが難しいかもしれません。

 

学校の学習内容が理解できていなければ、集団塾では厳しい

個別指導塾の問題点について述べてきましたが、それでは、集団塾はどうでしょうか。

集団塾の授業は、前述の通り、指導教科の理解や知識が深く、プレゼン能力や人間的な魅力に長けた講師が行います。
このように聞くと非常に魅力的に聞こえるかもしれません。
しかし、一番の問題点は、集団塾の授業は、学校と同じ一斉授業です。
当然ですが、学校の授業につまずいているような状態では、集団塾の授業は理解できません。

そのような状態で授業を受けても、何となく勉強をしていることにしかなりません。何となく勉強しているだけでは、成績には結び付きにくいです。

成績を上げるためには、学習塾側も、何となく授業を行うことわけにはいきませんので、学校の進度を常に把握する必要があります。
私は、毎回授業の際に、「学校で今、何を学習しているのか」を生徒に尋ねます。残念ながら、このような問いに対して、的確な返答を返せる子どもは、非常に少ないのです。

また、勉強が苦手な子どもからよく聞くのが、「何がわかっていないのかがわからない」という言葉です。
「学校で今、何を学習しているのか」「自分自身で何がわからないのか」を理解していない状態では、到底、集団塾の授業にはついていけないでしょう。

集団塾の授業は、一斉指導なので、一人ひとりに合わせた内容ではありません。
積極的に質問できるのであれば、問題ありませんが、教わった内容が理解できなければ、結局、通塾の意味はなくなってしまうのではないでしょうか。

 

 

学生アルバイト講師のデメリットは?

個別指導塾、集団塾のいずれにおいても、アルバイト講師が、指導を行うケースが見られます。
「アルバイトだからダメ」と言うつもりはありませんが、前述の通り、当たりはずれがあることも考えられるのではないでしょうか。

学習塾でアルバイトをするのは、主に、大学生ですが、そもそも、アルバイトをする理由は、何なのでしょうか。
中には、「就職の準備」「社会勉強」「学費に充てるため」などのような、立派な動機からアルバイトをする人もいるかと思います。

しかし、大半は、「自由に使えるお金を得るため」なのではないでしょうか。

雇用する側も、アルバイトをする側の目的がはっきりとしているため、割り切って、採用することができます。
学習塾に限りませんが、アルバイトを雇用するメリットは、「人件費が抑えられる」ことや「代わりがいくらでもいる」ことが、主になります。
デメリットは、「愛社精神が薄い」「責任感が薄い」「簡単に欠勤する」「すぐに辞める」などが考えられます。

アルバイトの種類によっては、これらのデメリットは、特に問題のないことも多いでしょう。
しかし、学習塾のアルバイトでは、これらのことは、非常に大きな問題なのではないでしょうか。

愛社精神や責任感が薄ければ、会社の方針に従わないことが考えられます。
教室の責任者が、いくら熱心に、「うちでは、このような理念のもと、このように指導を行います。」と保護者に伝えても、実際に、指導を行う講師が、その方針に納得せず、好き勝手なことをしているという可能性があります。

簡単に欠勤してしまうことも大きな問題かと思います。
私が、以前勤めていた会社では、当時は、「講師は、学生のアルバイトではなく、専任講師です。」と言うように、指導されていました。
しかし、現在では、「講師は、学生のアルバイトですが、優秀な学歴を持っています。」などと、大学名などを公表する学習塾も増えてきています。
このことは、自己矛盾を発生させてしまいます。

講師が良いということをアピールしているにも関わらず、その優秀な講師は、アルバイトであるために、欠勤してしまうことが発生し、別の講師が授業を行わざるを得ないことがあるのです。

学習塾の講師のアルバイトをする学生の中には、学校の教師を目指す人が多くいます。
そうすると、教育実習の時期には、必ず、数週間、アルバイトを欠勤せざるを得ないのです。
また、大学2回生のときには、成人式のための欠勤が発生します。
それ以外にも、長期休暇中、つまり、学習塾で、春・夏・冬の講習を行う時期には、帰省や旅行による欠勤が発生してしまいます。

「欠勤を認めない」などと厳しい環境を作ってしまうと、それこそ、すぐに辞めてしまいかねません。
現在は、学習塾のアルバイトを希望する学生が激減しており、時給の値上げ合戦が行われており、質の良い講師の確保は非常に困難になっているようです。
アルバイトをするのは、「お金を得るため」というのが、最も大きな理由の一つであると同時に、「楽しい職場」も求めているというのも、本音なのではないでしょうか。

万が一、辞めるのであっても、学年が変わるのが、4月からなので、そこが、キリの良いタイミングにはなるかと思いますが、4回生なら、就職があるので、3月末まで勤務するのが難しい場合もあります。

また、アルバイトを辞めるに、3月末まで、待ったうえで、辞めるというほど、律儀な人は、そんなには多くないかと思います。そうすると、入試が近いのに、講師が変更するということにもなりかねませんよね。

 

個別指導塾のアルバイト講師の授業準備にかける時間を知っていますか?

1:1や1:2の個別指導塾では、大半は、学生のアルバイトが授業を行います。

それが一般的なので、その形式だからこそ、安心できるという考えを持ったかたもいらっしゃるようですが、それでは、学生のアルバイトが、みなさんのお子様のための授業の準備をどの程度行っているかはご存知でしょうか?

担当する授業の始まる10分から20分前の出勤というのが一般的となっています。

そうすると、例えば、その日に連続して3コマ授業をする場合でも、1コマ目の担当授業の始まる20分前程度から準備を始めることになります。

たったそれだけの授業の準備で、お子様にとって十分な指導が行えるでしょうか?
本当に一人ひとりに合わせた成績の上がる指導と言えるでしょうか?

「子どもたちと年齢が近いから」
「高学歴だから」
「横にくっついてガッツリ教えてもらえるから」

などをメリットとして思われているかもしれませんが、このような点も考慮する必要がありますよね。

 

 

自立学習とは

ゆとり教育が問題視され、「生きる力」を育むという理念のもと、知識や技能の習得とともに思考力・判断力・表現力などの育成を重視するという新学習指導要領が、小学校では2011年度より、中学校では2012年度より、高校では2013年度より実施されました。

この新しい指導要領の導入や教育を取り巻く状況の変化とともに、これからの教育には、自ら学ぶ力をはぐくむことが求められています。

そのような時代の変化に伴い、個別指導塾や集団塾以外にも、パソコンやタブレットを使用した、自立学習を打ち出した個別塾も増加してきています。
しかし、それらの中には、未経験者の独立開業によるものが多く見られます。

パソコンやタブレットを使った学習塾が増えているのは、経営・運営上の理由が主になります。
パソコンやタブレットを使用するため、人件費がかからず、自分自身が指導しなくて済むということが、開業へのハードルを下げています。

特に、「低開業資金」「未経験者可」を謳い、独立開業を煽るフランチャイズ学習塾などが良い例でしょう。

しかし、そのような形式の学習塾で本当に成績が上がるのでしょうか。
「自立学習=教えられなくても塾が運営できる」という図式は成り立ちません。
自立学習の支援というのは、生徒が解く問題はすべて理解できた上で、すぐに答えを与えず、勉強の仕方や何が問題なのかなどを指導することを意味します。

 

 

有名な看板 ≠ 良い塾

 人が買い物をするときに、1つの決め手になるのは、それを知っているかどうかです。
つまり有名かどうかですよね。
そして、もちろん、品質が保証されていることが重要になります。
その中でも、物を買う場合、飲食をする場合であれば、基本的に、品質は保証されています。
例えば、ある牛丼のチェーン店に行けば、基本的に、全国どこでも同じ味の牛丼が食べられるはずです。

しかし、接客やサービスの面においては、マニュアルがあるとは言え、人的な要素に左右されがちなので、サービスが一定とは言い難いです。
入れ替わりの激しいアルバイト従業員の勤務が基本なのであれば、なおさらその可能性は高くなります。

学習塾も同様です。
全国に展開している大手だからと言っても、良い教室もあれば、悪い教室もあるかもしれません。
学習塾で提供される商品は、形のないサービスのみです。
マニュアルやノウハウと呼ばれるものがあったとしても、完全に人的な要素に左右されてしまいます。
そして、アルバイトの講師が授業を行っているのであれば、その授業の質を、どれだけ均一に保ち、教室や講師の管理が徹底できているのかが、その塾の良さにつながるのではないでしょうか。

もちろん、大手で教室もたくさん展開していれば、設備が豪華であったり、教室も綺麗だったりするかもしれません。
資料を請求してみたら、パンフレットも豪華で、お金の掛けたものが送られてくるかもしれません。
しかし、知名度や体裁の良さだけで判断するのは危険です。

必ず、一度、足を運び、教室責任者の話を聴いてみて下さい。
その人が信頼に足る人物なのかどうかが重要です。
少しくらい、意地の悪い質問を用意していくのも良いでしょう。
あえて、忙しそうな時間に一度、伺い、どのような対応をするのかを見てみるのも良いでしょう。

 

 

最後に

学校の授業が分かりにくくなってきた場合や、テストの結果が良くなかった場合などに、学習塾を検討するかと思います。
しかし、本当に、自分の子どもに合った学習塾の指導形式がどのようなものなのかを、正確に分析する必要があります。
そして、子どもに合った指導形式がわかったとしても、どの学習塾が良いのかを判断するためには、きちんと話を聴き、場合によっては、体験授業を受けさせてもらうなど、しっかりと吟味する必要があるでしょう。

授業料、ブランド力、知名度、立地、値引きなどのみによって、安易に選択してしまうことは、お子様の将来を台無しにしかねません。

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